2016/09/22

近泳





■ 営業日、時間の予定 ■

◉ 9月22日(木)12:30〜20:00

◎ 9月23日(金)15:00〜20:00

◉ 9月24日(土)12:30〜17:30


◎ 9月25日(日)12:30〜20:00


◉ 9月26日(月)15:00〜20:00

◎ 9月27日(火)14:00〜20:00

◉ 9月28日(水)14:00〜20:00

※9月29日(木)お休み


◎ 9月30日(金)14:00〜20:00

◉ 10月1日(土)12:30〜20:00

◎ 10月2日(日)12:30〜20:00


◉ 10月3日(月)15:00〜20:00



◎ 10月4日(火)14:00〜20:00










【 近泳
 

奇妙な男である。
出会ったばかりの頃はわたしのことを確か、フミさんと呼び、
そのうちにフミヨさんになり、最近じゃ人前だとなぜかアマヤさんと呼ぶ。

それも変な発音で。
取り出したものをもとの場所に戻せない、
すぐにものにぶつかる(そしてそこにあったものをぶちまけてしまう)、

あーだこーだと何やら語っているかと思うと、どうしよう…!
と、自ら思考の迷宮にさまよっていく。

独特な男である。

……
そんな彼に神が与えたものは美しいものを瞬時にとらえる眼だろうか。


最初に見せてもらった写真は舞踏公演を撮ったものだった。
それまでも、芝居、舞踊などステージを撮った記録写真をよく眼にしてきた。
ところが、彼のその写真はどこか違って見えた。
対象の(この場合舞踏家)躍動感を匂わせつつもそれはとても静かな写真だった。


美しいもの、と言っても必ずしも、

色とりどりの花の美しさとか、いわゆる多くの方が共感するようなものではない。

彼は、
影ではなく陰を撮る。
陰にある影を撮ることもある。

……
流星を見よう。と、真夜中に廃住宅地に呼び出したことがある。
その中のある場所で、
もう主もなく疲れ果てたように
夜の暗がりにぼうっと建つ集合住宅の姿、
朽ちた壁を前にし、彼は動かなくなっていた。
ところが、彼のカメラのフィルムはもう尽きていて、
その姿を撮ることはできなかった。

すると、
しょうがない、せめてこの眼に焼き付けておこう。
と、彼はまるで、神々しいものを前にするかのようにその前に立った。

わたしもそれにならって、横に立ち、その壁を眼に焼き付けた。

……
その時のそれは写真として焼き付けられなかったけれど、
そんなふうにして、舞台などのいわゆる記録写真ではない、
日常の静かに在る中に見た、
けしてきらびやかではないものをほんの一瞬間、
まるでマッチの火を灯すようにしてとらえた、
前澤秀登の視線、キリトリ。

……
今回、暗室に通い、一枚一枚丁寧に思考を重ねた、
はじめてのオリジナルプリントでの展示となる。
記録写真を多く撮ってきた、彼のもうひとつの世界をご覧ください。







【 近泳 】
  前澤秀登 写真展


わたしははなさない
ちかくおよぐもの、ふれるように


◉ 会期:2016年9月22日(木)〜10月10日(月・祝
※会期中不定休のため、こちらのブログにて、営業予定の日時をご確認ください。

◉ 場所:Amleteron 
    東京都杉並区高円寺北2-18-10   
    tel.03-5356-6639